翌日の札幌ドーム「北海道日本ハムVS西武ライオンズ」を観戦するため、会社から空港へ直行して北海道へと飛んだ。 空港で買い込んだトリュフケーキだのプリンだのを抱えて、夢見心地なナイトフライヤー(そういうダンスインザダーク産駒がいる)。 ハードスケジュールではあるが、金曜の深夜に札幌着、日曜の夜には戻ってきている予定なのだ。 北海道に行くのは4回目だが、野球を主目的とするのはこれが初めて。今年から本拠を札幌に移した日本ハムファイターズのおかげである。また、今回の札幌ドーム観戦で、「12球団全フランチャイズ制覇」という長年の目的が達せられることになる(来年はまた変化があるが…)。 数年ぶりになる札幌競馬場も楽しみだし、食べ物も美味しい。とにかく北海道には気分を盛り上げてくれる要素が盛りだくさんだ。 飛行機の中で眠るつもりだったが、北海道に馳せた想いと最近読んだ競馬漫画の牧場の場面が重なって、妙に興奮して眠れなかった。
その分は、千歳空港から札幌に向かう電車内でたっぷり取り返した。 ウトウトとまどろみながら、夢の中で競馬漫画の続きを見ていた。 ずいぶん昔にかかれた漫画で、競馬の描写にはおかしな点も多い。だから頭の中でその分を補完しようとしていたのだろうか。それとも読んだ場面が北海道の牧場だったから触発されて意識の表面に出てきていたのか。 夢の中で、漫画に出てくる大馬主が、函館の夜景を見下ろす高級ホテルのスイートルームでブランデーグラスを傾けていた。 ……我ながら頭の悪そうな夢だ。 軽く自虐的になりながら宿泊先に向かう。高級ホテルとまではいかないが、そこそこのホテルではある。仕事上やら連れの特典やらの持てる限りの割引を利用しての旅だから、普段よりちょっと良いホテルにしたのだ。 たどりついてチェックインの際、フロントの方が言った。 「ただいまスイートルームの方が空いておりましてそちらに振り替えもできますが」 はい? …どうやら予約しておいた部屋よりベッドは狭いらしいが、こんなチャンスは初めてなので勿論承諾した。 深夜にチェックインするとこういうことも間々あるとは聞いていたが、まさか自分の身に起こるとは。 喜び勇んで部屋に向かうと、部屋の扉の前に門がある。ドキドキしながら開けて中に入ると…メゾネットというものか、部屋の中が二階建てになっている! 今まで格安部屋の旅しかしてこなかったので、それはもう驚きの連続。 自動で灯りの点くウォークインクローゼットやらミニキッチン、壁には各種グラスの飾られた食器棚に、何人で泊まれというのか疑問な大テーブル上に飾られた花かご。ワイド画面のテレビが置かれたリビングには洒落たデザインのスタンド。二階に上がればテレビの置かれたベッドルームに大きな化粧台とバスルーム。 これがスイートルームってやつか! 空港から見てきた夢のお導きだろうか。小市民な私には随分贅沢に感じられる旅の初日だった。
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